英単語 will といえば中学校で、未来を表し「~だろう、~でしょう」と訳します、と習いま
したね。
実は will の使い方はそれだけではありません! あなたは、次のように感じたことはありませんか?
この記事を読めば、次のような文も will を使って表現できることが分かります。
<この記事を書いた人>
元ECCホームティーチャー、元大学受験模擬試験英語科採点員。
2000年~19年間サイト「映画から始める英会話」運営&メルマガ発行。(現在は閉鎖)
2022年~当ブログ「元英会話講師 希のブログ」運営。
高校時代、英語の成績5段階評価の3から、独学で英検準1級・TOEIC805点を取得。映画・海外ドラマが大好き。
1.「~してくれませんか」のwill
”依頼”の will です。疑問文で you といっしょに使われます。「~してくれませんか」などと訳します。
<例文1>
「僕と踊ってくれませんか?」
Will you dance with me?
<例文2>
「2つの選択肢から選んでもらえますか?」
Will you choose between two options?
2.「~しなさい」のwill
主語 you のうしろに will がくる場合、「~しなさい」と”指図”として訳すとピッタリくる場合があります。
<例文1>
事件が起こってしまいました。ニュースを見ていたボビー(ピーター・サースガード)が命令します。
ボビー「このことは一言も話すな!
時期が来たら僕がジャッキーに話す。」
You‘ll not speak a word of this!
I’ll tell Jackie when the time is right.
※ You’ll は You will の短縮形です。
映画「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」(2016年)のセリフより
<例文2>
1日で大金が稼げる、という情報が入った謎の封筒を手に入れたヴィンス(サム・ライリー)は、電話の指示に従います。
電話の声「マコームのひと駅前で降りろ。」
You will get off one stop before Macomb.
映画「ロシアン・ルーレット」(2010年)のセリフより
<例文3>
高校生のトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)と親友のペニーは、学校から帰ってくるとすぐに歌とダンスのテレビ番組を見ていました。ペニーの母親が怒ります。
「あの番組を二度と見てはいけません!」
You will never watch that show again !
映画「ヘアスプレー」(2007年)のセリフより
<例文4>
「今すぐ私のオフィスに来なさい。」
You will come to my office right now.
<例文5>
「自分で部屋を掃除しなさい。」
You will clean your room yourself.
<例文6>
「君がごみを出しなさい。」
You will take out the garbage.
3. 命令文+will you
will は、動詞で始まる命令文に続いて, will you? の形で使われることがあります。
will you? が上昇調に話されれば穏やかな依頼、下降調に話されれば強めの命令になります。
<例文1>
「大声で話すのをやめてくれないか?」
Stop speaking loudly, will you?
<例文2>
「ごみを拾ってくれないか?」
Pick up the garbage, will you?
4.「~するつもりである」のwill
will は、自分が心に決めた”意志”を表すことができます。「~するつもりである」などと訳すとOK。
<例文1>
「朝一番に彼に電話するつもりです。」
I will call him first thing in the morning.
<例文2>
「今日の午後、買い物に行くつもりです。」
I will go shopping this afternoon.
意志の will は、その場で思いついたことについて話すときに使います。
一方、同じ「~するつもりである」が言い表せる be going to は、以前からそのように思っている場合に使われます。
will | be going to | |
意味 | ~するつもりである | ~するつもりである |
使い方 | その場で思いついたこと | 以前からそう思っていること |
<例文>
「ヨーロッパへ旅行に行くつもりなんだ。(以前からそう思っている)」
I‘m going to take a trip to Europe.
★ こちらの記事も参照 ↓
「【完全解説版】英会話でよく使う本当に必要な英文法12選(動画・英語音声付き) 」
未来
5.「どうしても~しない」のwill
will は、”強い拒絶”として「どうしても~しない」を言い表すことができます。この場合は will の否定形 won’t = will not を使います。
<例文1>
ヘンゼル(ジェレミー・レナー)とグレーテル(ジェマ・アータートン)は、ある町の魔女退治を依頼されます。その町の北の森には、怪しい小屋があるそうです。
市長「地元の者たちは、そこに近づこうとしない。」
Locals won’t go near the place.
映画「ヘンゼル&グレーテル」(2013年)のセリフより
<例文2>
「父が婚約者に会おうとしてくれないの。」
My father won’t meet my fiancé.
この「どうしても~しない」の won’t は、物が主語の場合も使われます。
<例文3>
「ワイ・ファイが遅すぎて、どうしてもアプリが開いてくれない。」
The Wi-Fi is so slow the app won’t open.
6.「そういうものだ」のwill
will には”物の習性“を言い表す使い方もあります。「(物は)そういうものだ」という感じです。
<例文>
「まるごとのオレンジは水に浮かぶ習性がある。」
A whole orange will float on water.
※ 同じ習性でも、自然の法則でそうなっているものには単純現在形を使います。
<例文>
「太陽は西に沈む。」
The sun sinks in the west.
また”習性”の will は、人に対しても使われます。この場合、話し手はその状況に対していら立っていることがあります。
<例文1>
「彼はそこに1日中すわってテレビを見てることがある。」
He will sit there all day long and watch TV.
<例文2>
「君はいつも授業に遅れて来るね。」
You will arrive late for class.
7.名詞のwill
will には名詞もあるんですか?という質問をもらったことがあります。そうなんです、あるんです。
名詞とは?
物事の名称、状態、性質などを表す語のことです。
will は名詞で「意志」「遺言」などという意味があります。
<例文1>
「僕は両親の意志にそむいて彼女と結婚した。」
I married her against my parents’ will.
<例文2>
「彼の遺言に従って、あの写真が追悼式で使われた。」
According to his will, that photo was used for his memorial service.
英単語willの意外な意味と使い方7選:まとめ
willの意味は、未来を表し「~だろう、~でしょう」だけではありませんでしたね。今日勉強した、さまざまなwillの使い方をまとめておきます。
- 「~してくれませんか」のwill:依頼
- 「~しなさい」のwill:指図
- 命令文+will you
- 「~するつもりである」のwill:意志
- 「どうしても~しない」のwill:強い拒絶
- 「そういうものだ」のwill:習性
- 名詞のwill「意志」「遺言」
最終更新日 2024/09/23