中学で習う基本英単語 say, tell, talk, speak. 意味はどれも「話す」。意味が同じなのにどうして4つも単語があるの?それぞれどう違うの、と思ったことはありませんか?
まずはざくっと次のように say, tell, talk, speak の違いを理解しておきましょう。
say と tell には「話す」以外にも、いろいろ意外な意味と使い方があります。この記事を読めば、たとえば次のような例文も say や tell を使って言えることが分かります。

<この記事を書いた人>
元ECCホームティーチャー、元大学受験模擬試験英語科採点員。
2000年~19年間サイト「映画から始める英会話」運営&メルマガ発行。(現在は閉鎖)
2022年~当ブログ「元英会話講師 希のブログ」運営。
高校時代、英語の成績5段階評価の3から、独学で英検準1級・TOEIC805点を取得。映画・海外ドラマが大好き。
話す内容を強調する感じ:say
1. sayの目的語は話す内容そのもの
speak, tell, talk と違い、say は話す内容そのものを目的語にすることができます。

目的語とは:
英文で動詞の直後にくる名詞。目的語がくることによって文の意味が成り立ちます。
<例文1>
彼女は「すみません。」と言った。
She said, “I’m sorry.”
※ said は say の過去形。発音が[sed]となることに注意。I’m sorry.が「話す内容そのもの」ですね。
<例文2>
「ディヴィッドはさようならと言って車で走り去った。」
David said goodbye and drove off.
<例文3>
「もっとが紅茶が欲しかったら、そう言ってね。」
If you want some more tea, please say so.
2. say to+人
say の後ろに「(人)に」をつける場合、say to ~となります。
<例文4>
「同僚が私に”時間ある?”と言った。」
My co-worker said to me, “Do you have time?”
3. say+疑問詞
say +疑問詞 の形もよく使われます。

疑問詞とは:
what, who, when, where, why, how など、yes, no ではなく具体的な答えが聞きたいときの疑問文に使われる語のこと。
<例文5>
「どっちがいいか言うのは難しいよ。」
It’s difficult to say which is better.
<例文6>
「あとどれくらい時間がかかるかは分からない。」
I can’t say how much longer it’s going to take.
4. うわさのsay
say は「うわさでは~と言われている」という場合にも使われます。
<例文7>
「彼女は数週間前に、俳優と結婚したそうよ。」
They say she married an actor a few weeks ago.
5. 書いてあるのsay
say には「(本や掲示などに)~と書いてある」という意味もあります。
<例文8>
夫の浮気が原因で離婚したサンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、子供2人を連れて住む所を探しています。
サンディ「この広告に貸しアパートがあるって書いてるんですけど?」
アラン(ジャスティン・バーサ)「オーナーが2階にロフトを持ってます。」
“This ad says you have an apartment for rent?”
“The owner has a loft upstairs.”
映画「理想の彼氏」(2009年)のセリフより
※ 主語の this ad は3人称・単数なので say に s がついて says となっています。

3人称とは:
1人称=I でも 2人称=you でもないもの。
<例文9>
ニュース映像を撮影して、テレビ局に売る仕事を始めたルイス(ジェイク・ギレンホール)は、アシスタントを募集しました。
リチャード「広告にはどんな仕事か書いてなかったんですが。」
The ad didn’t say what the job was.
映画「ナイトクローラー」(2014年)のセリフより
<例文10>
「この手紙に、彼は来月グレースと結婚すると書いてある。」
This letter says he is going to marry Grace next month.
<例文11>
「それを証明する証拠はない、って新聞に書いてあるわ。」
The paper says there is no evidence to prove it.
<例文12>
「標識に”立ち入り禁止”と書いてある。」
The sign says, “No trespassing.”
<例文13>
「広告掲示板に”野生生物に気をつけて、用心して!”と書いてある。」
The billboard says, “Watch for Wildlife – Use Caution!”
6. 仮に~としたらのsay
say は命令形や Let’s say の形で「仮に~としたら」が言い表せます。
<例文10>
「彼女がうそをついているとして、何が違うんだ?」
Let’s say she’s lying, what’s the difference?
後ろに「誰々に~」がくる:tell
下記の例文4つとも、tell のうしろに「誰々に~」の単語が続いています。(「私に」me, 「彼に」him など )
1. 言うのtell
<例文1>
「何をたくらんでるのか言いなさいよ。」
Tell me what you are up to.
<例文2>
「彼に大ファンだと伝えてください。」
Please tell him I’m a big fan of his.
2. まさかのtell
Don’t tell me で「まさか」のニュアンスが表せます。
<例文3>
「まさか、まだ怒ってるの?」
Don’t tell me you’re still mad at me.
<例文4>
「まさか、彼女にまた彼氏ができたの?」
Don’t tell me she got a new boyfriend again.
★ こちらの記事も参照 ↓
【便利な英会話フレーズ】日常会話編60選|「道理で~なわけだ」no wonderなど(動画・音声付き177例文)
22.「まさか(~じゃないでしょうね)」Don’t tell me
3. 命令するのtell
tell には「(人に)~するように言う、命じる」の意味があります。tell 人 to do(動詞の原形)の形になります。

動詞の原形とは:
英語の動詞は、3人称・単数形で s がついたり、過去形で -ed がついたりします。
原形はそういったものがまったくついていない、元の状態のままであることです。
<例文5>
「指図しないでよね。」
Don’t tell me what to do.
<例文6>
「その警報機に触らないでって言ったでしょ!」
I told you not to touch that alarm!
※ told は tell の過去形。tell は tell, told, told と変化します。
※「(人に)~しないように言う、命じる」の場合は<例文6>のように、tell 人 not to do(動詞の原形)の形になります。
4. 分かるのtell
tell は can/be able to tell の形で「分かる」が言い表せます。
<例文7>
ここは結婚式場。テーブル19番です。
「あなたの訛りで、新婦の父親の親戚に違いないって分かるわ。」
I can tell by your accent you must be a relation to the bride’s father.
映画「ウェディング・テーブル」(2017年)のセリフより
<例文8>
「においでニンニクとバジルだって分かるよ。」
I can tell by the smell that it’s garlic and basil.
<例文9>
「どっちが本物かわかんないよ。」
I can’t tell which is real.
<例文10>
「どうして彼がクビになったのか分からない。」
I can’t tell why he got fired.
<例文11>
依頼人のことを言い当てるシャーロックに。
「1枚の紙からそのようなことは分からないわ。」
You can’t tell things like that from a piece of paper.
海外ドラマ「SHERLOCK シャーロック」のセリフより
「話す」一般:speak
長い話から短い話まで、あらゆる種類の「話す」が speak です。
<例文1>
「彼はなかなか上手にフランス語を話すよ。」
He can speak French quite well.
<例文2>
電話で。「トムはおられます?」「僕です。」
“May I speak to Tom?” “Speaking.”
※ speaking は speak の現在分詞。-ing がつくと「~している」ニュアンスが表せます。
speakよりも軽い話のときに使う傾向がある:talk
talk は speak と違って、ふつう聞き手がいます。
<例文1>
「彼女は子どもの話ばっかりしているよ。」
She’s always talking about her children.
※ talking は talk の現在分詞( -ing形)です。
<例文2>
「君はいつも寝言を言ってるよ。」
You’re always talking in your sleep.
英単語say,tell,talk,speakの意外な意味と使い方の違い:まとめ
「話す」という意味が同じ4つの基本英単語 say, tell, talk, speak の使い方の違いを見てきました。まとめておきますので活用してください。
話す内容を強調する感じ:say
1. sayの目的語は話す内容そのもの
2. say to+人
3. say+疑問詞
4. うわさのsay
5. 書いてあるのsay
6. 仮に~としたらのsay
後ろに「誰々に~」がくる:tell
1. 言うのtell
2. まさかのtell
3. 命令するのtell
4. 分かるのtell
「話す」一般:speak
speakよりも軽い話のときに使う傾向がある:talk
最終更新日 2024/10/13